皆さんは、ほんの少し時間が空いたとき、何をしていますか?
多くの人がスマホを手に取り、SNSをチェックしたり、動画を見たりするのではないでしょうか?
現代の私たちは、何もしない時間を持つことがとても難しくなっております
今回紹介するのは、オランダのニクセン(niksen)という考え方です
これは、マーティン・ウィレムス氏の著書『何もしないことの技術』でも紹介されている、あえて何もしない時間を持つ技術です
ニクセンとは?
ニクセンは、オランダ語で何もしないことという意味です
ただし、ここで言う何もしないは、スマホを触ったり、動画を見たりすることではありません
何かをして気を紛らわせるのではなく、ただぼんやりと存在することを意味します
例えば、
窓の外を眺める
ベンチに座って、ただ風を感じる
目的もなく、ぼーっとする
瞑想やマインドフルネスのように集中や意図も必要ありません
計画や義務から解放されて、ただ自分をそこに置くだけでいいのです
何もしないことができない現代人
しかし、この何もしないことは思った以上に難しいのが現代です
SNS、動画、ネットショッピング、エンタメ・・・・
あらゆるものが私たちの暇を埋めようとしてきます
心理学者サンディ・マン氏は退屈は21世紀の呪いだと語っています
刺激が多いほど、私たちはさらに刺激を求める体質になります
ちょっとの空き時間でもスマホに手が伸び、何かを消費し続ける・・・
これでは心も体も休まりません
なぜ私たちは「何もしないこと」に罪悪感を感じるのか?
何もしないなんて時間の無駄だ
ぼーっとしていたらダメな人だと思われるかもしれない
そんな不安や罪悪感を覚えたことはありませんか?
私たちの社会は、忙しさを美徳とし、生産性や成果を出すことが価値の証とされています
もっと頑張れ、もっと成長しろと背中を押される文化の中で、何もしない時間は贅沢どころか怠けに見られがちです
でも、実際にはこの何もしない時間こそが、心と体をリセットし、次の一歩を踏み出すための栄養になります
ニクセンがくれる3つのギフト
頭と心のリフレッシュ
私たちは情報を浴びすぎています
窓を眺めているとき、脳は勝手に情報を整理し、リフレッシュされます
創造性が生まれる
何もしない時間にふと新しいアイデアが浮かぶことはありませんか?
頭を空っぽにすることで、隠れていた発想が姿を現します
お金も節約できる
何もしない時間は、何かを買って埋める時間ではありません
新しい物を買ったり、余計なエンタメにお金をかけたりする必要がなくなります
ニクセンを始める3つのコツ
時間を確保する
まずはスケジュールのどこかに何もしない時間を入れましょう
30分でも、10分でもかまいません
スマホを遠ざける
スマホは最大の敵です
通知を切る、部屋に置いておかないだけで、意外と気が楽になります
罪悪感を手放す
何もしない時間こそ価値があると知るだけで心が軽くなります
最初は落ち着かないかもしれませんが、少しずつ慣れていきましょう
退屈の中にある豊かさ
オランダのニクセンだけでなく、イタリアにはドルチェ・ファー・ニエンテ(何もしないことの甘美さ)という言葉があります
フランスにはレッセフェール(放任主義)があります
日本の森林浴も同じように、ただ自然に身をゆだねる時間です
しかし、ニクセンの面白いところは、これらのように何かを楽しむという意図すらなく、ただ目的なく、ぼんやりすることに徹している点です
何もしないことは特別なことではない
ニクセンにお金も道具もいりません
公園のベンチでも、家のソファでも、どこでもできる心の状態です
列に並んでいるとき、通勤の電車の中、数分だけでもスマホを見ずに外の景色を眺めてみてください
近所の公園のベンチに座って、コーヒーを飲みながらボケ~っとするだけでもいいんです
忙しさを手放し、小さな何もしない時間を
現代社会は、私たちに常に何かをしていなければならないという強迫観念を植え付けています
でも、本当に豊かな時間とはただそこにいる時間かもしれません
ぜひ今日から、意識的に何もしない時間を作ってみてください
最初は5分でも十分です
忙しさを手放す小さな習慣が、心と体を元気にし、思わぬアイデアを運んできてくれるかもしれません
何もしないことの技術とは、それは、私たちが忘れていた大切な休息の形です